トポロジカル量子回路の実現に向けた新しい材料プラットフォームを実現

我々の研究室がトポロジカル・ディラック半金属(TDS)α-Sn薄膜に集束イオンビームを照射することにより、超伝導体β-Snのナノ構造をα-Sn薄膜面内の任意位置に任意形状かつナノスケールで作り込む新しい作製技術を開発しました。TDS α-Sn中のβ-Sn超伝導ナノ細線構造において、磁場を細線方向に印加すると超伝導電流が一方向しか流れない超伝導ダイオード効果を実現しました。超伝導体β-Snとの近接効果でTDS α-Snが超伝導になることによる超伝導ダイオード効果の観測は世界初です。本研究で開発した新しい手法では超伝導体/トポロジカル材料からなる高品質ナノ構造を自在に作製できるため、さまざまな超伝導回路やエラー耐性が強いトポロジカル量子演算が可能な量子回路を実現する方法として期待できます。

本研究成果は2024年9月30日にNature Communicationsに出版されました。

Large superconducting diode effect in ion-beam patterned Sn-based superconductor nanowire/topological Dirac semimetal planar heterostructures

Le Duc Anh*, Keita Ishihara, Tomoki Hotta, Kohdai Inagaki, Hideki Maki, Takahiro Saeki, Masaki Kobayashi, and Masaaki Tanaka*

URL:https://doi.org/10.1038/s41467-024-52080-4

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